JA名取岩沼管内では都市近郊型のJAでありながら、青果物の栽培が盛んに行われています。伝統的に栽培されているものから近年作付を拡大しているものを含む以下の5品目を「特産野菜」とし、消費者の皆さまに向けてレシピの開発や量販店での試食宣伝、情報発信等によりPRを行うなど、ブランド化に取り組んでいます。
仙台せり
【栽培の歴史】
名取市のせり栽培の歴史は江戸時代にまでさかのぼります。上余田村に伝わる文献によれば、1620年から野生のせり栽培が始まっていたそうです。その後、せりの改良と共にせり栽培が普及したといわれています。
現在では名取市の上余田地区と下余田地区で栽培が続けられています。
【出荷状況】
「仙台せり」は根を付けたまま出荷しています。上余田芹出荷組合と下余田芹出荷組合が仙台・京浜・札幌・東北各県の市場へ出荷をしているほか、地元の飲食店などにも販売しています。
名取産の「仙台せり」は全国的にも有名で、市場からも品質などに高評価をいただいています。
チンゲン菜
【栽培状況】
管内では昭和60年頃から栽培が始まった「チンゲン菜」。砂地が適するため、名取市東部にあたる下増田地区と閖上地区が主産地になっています。
震災による被害で出荷量が激減しましたが、復興による営農再開などにより徐々に出荷量を伸ばしています。
【出荷】
ビニールハウスでの栽培が中心のため、一年間を通じて仙台市場へ出荷しています。
小松菜
【栽培状況】
管内のほぼ全地区で栽培している「小松菜」。露地やビニールハウスでそれぞれ栽培を行っています。特にビニールハウスでは周年(1年中)で栽培されていて、JA管内の特産野菜の一つとして販売強化に努めています。
【出荷状況】
一年間を通じて、仙台市場を中心に出荷しています。4月頃には花が咲く直前のつぼみの状態で収穫し、「小松菜の花」としての出荷も一部で行っています。
ゆきな(ちぢみゆきな)
【栽培状況】
「ゆきな」は仙台周辺の平野部で古くから栽培されてきた野菜です。JA名取岩沼管内では近年に名取市西部にあたる愛島・高舘地区を中心に本格的な作付を推進し、ブランド化へ向けた取組みを行っています。
【特徴と出荷】
濃緑色で肉厚な葉が特徴の「ゆきな」は11月から出荷が始まります。寒さが厳しくなると耐寒のため葉を縮め糖分を蓄えるため、12月下旬から3月上旬までは「ちぢみゆきな」として出荷しています。
また、4月以降には花が咲く直前のつぼみの状態で収穫し、「ゆきなの花」として出荷しています。 出荷は仙台や京浜、札幌、東北の各市場へ行っています。
みょうがたけ
【栽培の歴史】
名取市で伝統野菜として古くから栽培してきた「みょうがたけ」は昭和35年頃から仙台市場へ出荷が始まりました。京浜市場への共同出荷は昭和40年から始まり、現在では「下余田茗荷出荷組合」として、仙台・京浜市場を中心に出荷しています。
【1年半に及ぶ栽培期間】
「みょうがたけ」は一般的な花みょうがとは違い、若茎を軟白栽培したものです。根株栽培から始まり「みょうがたけ」として収穫するまで1年半もの時間と手間がかかる作物です。特徴でもある紅色を付ける技術はこれまでの栽培で培ってきた経験と技術が光る作業になります。